柳なつきのブログ

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2014年7月5日のまとめ

 中学のころの友人たちと会う約束をしていたが、起き上がることもできず、ずるずると夜になってしまう。
 先輩が、とりあえずスタミナをつければ元気が出るかもしれないと言い、とんかつ屋に連れて行ってくれる。かつとクリームコロッケの定食を頼む。先輩が塩でかつを食べていたので、真似してみた。私はやはり濃いソースのほうが好きだ。だが地の塩という言葉を思い出したりもした。
 少し回復したので、中央線に乗って友人宅を目指す。『LOVEずっきゅん』の「わたし中央線乗り越して気付いた明日は始業式」という歌詞を思い出したり、三鷹の高校を受験しようと想っていた時期もあったなと思ったり。
 友人宅の最寄り駅に到着。本日会う友人はふたり。この九年間途切れることなく連絡を取り合ってきた友人Sと、六年ぶりの再会になる友人N。Sは髪型が私と似ている以外は相変わらずだという印象。そしてNは相変わらず清楚でかわいらしい。
 詫びの日本酒を渡す。Sは夏に留学する予定なので、先輩と私からのそのお祝いでもある。
 名探偵の名前を冠したイングリッシュ・パブで、しばし歓談。これまでの人生のあらすじなどを互いに話す。Nが順調そうでよかったな、と想う。私は自分がちゃらんぽらんな人生を送ってきた、と言った。じっさいにちゃらんぽらんな人生だ。弾みでオレンジテキーラのオレンジを落っことした。その動作みたいにお前の人生はちゃらんぽらんだな、といったことをSに言われる。その通りなので笑うしかできない。
 けっきょく、午前一時まで飲む。ドンキホーテに行ってお菓子を買い、Sのアパートで軽くパーティ。私はしきりに、Nに再会できてよかった、と言っていた気がする。
「ほら、不登校の子に対してってさ、一段低くみたりするじゃん。一段低くって言いかたが適切でないなら……別世界の人間、みたいな。でもNはそんな偏見もたなかったんだよね。ふつうに私に接してくれた。それがすごく嬉しかったし、助かった」
 私は中学のころ不登校だった。
 三時ごろ、Nは就寝。Sとふたりで廊下に出て、YouTubeで動画を流しながら、人生を語り合う。互いに難儀。仕方ない。相も変わらず。
 四時過ぎに、カーペットの上で毛布にくるまり就寝。

 時は流れる。
 変わらないこともあれば変わることもある、なんて一般論を言うのはたやすい。
 私と友人たちの関係は、あきらかに、変わった。
 おとなになった。
 おとなになることを拒んだことなどない。しかしそれでも、ときおりそのことがちくりと痛むのはどうしてだろうか。
 どうしてだろうか。
 あの青春の狂気を繰り返したいなんてさ、冗談にも程があるから。
 それにしても、私はほんとうに安心した。
 私たちは、もはやふたりきりではないのだし――。

 しかし、このことを、きっと私は書き続ける。すくなくとも、しばらくのあいだは書き続ける。
 それほどまでに強烈な中学時代の残滓、とは。
 そんなことを考えていた、S宅の薄闇のなか。

 楽しかった。
 次は四人で集まりたいね。